1.実施概要
● 日 時:2012年11月17日(土) 9:00〜16:30
● 見学地:九谷焼資料館・陶芸館、日本折紙博物館、山中うるし座、那谷寺
● 参加者:計22名(会館生20名、協会職員2名)
2.実施目的
地元の産業や工芸品を見て触れて体験してもらうことで日本の良さやより地元の産業に対する興味を持ってもらうこと、また、日本と自国の文化の違い・共通点を知り、相互理解を深めることを目的とし、実施しました。
3.実施内容
08:45〜 金沢国際交流会館 集合、出発
10:00〜11:30 「能美市九谷焼資料館・陶芸館」到着、九谷焼見学の後絵付け体験
11:50〜12:20 「御菓子城加賀藩」2階にある「日本折紙博物館」にて折紙体験及び展示見学
12:30〜13:20 「御菓子城加賀藩」内施設お食事処「文化村・古九谷」にて昼食
13:50〜14:20 「山中うるし座」到着、ろくろ挽きの実演と説明
14:40〜15:30 「那谷寺」到着、拝観及び紅葉狩り
16:30〜 金沢国際交流会館 到着、解散
各地から紅葉便りが届く中、当館主催のバスツアーは実施されました。前日の金沢は久しぶりの小春日和だったのに、旅行当日は予報どおりの雨模様。天候に反して晴れやかな顔で全員集合してくれ、予定時間より早く出発することができました。
金沢市から南西に向かい、最初に訪れたのは「能美市九谷焼資料館・陶芸館」。出迎えてくださった学芸員の説明を受けながら、色彩豊かな作品を見て回りました。留学生に受けたのは、現代アートのコーナー。九谷焼を使用した自転車とともに写真を撮る学生、同年代の日本人学生なら知らない人も多いのではないかと思われるバルタン星人の置物を指差して、「ウルトラマン!」とはしゃぐ中国人留学生の姿が印象的でした。目で勉強した後は、実技の絵付け体験へ。20名の新米作家は真剣な面持ちで筆を動かし、個性豊かな芸術作品を作り上げていました。
「能美市九谷焼資料館・陶芸館」にて絵付け体験 次に訪れたのは「日本折紙博物館」。まず、博物館職員の指導の下、小さな千代紙と格闘し“箱鶴”に挑戦!いかに細かく複雑な作業なのかを実感したところで、折紙作品の数々を見学。それぞれ気に入った作品の前でポーズを取り、カメラに収めていました。
「日本折紙博物館」にて“箱鶴”作りに挑戦 お待ちかねの昼食はお刺身・天麩羅・茶碗蒸し等が付いた和定食。日本の代表的な料理が並んだ食卓で、日本と自国の食文化の違いが話題に上りました。食事を堪能した後は隣接する「御菓子城加賀藩」でお土産品を物色。食事が足らなかったのか、別腹なのか、試食を楽しんでいる学生もちらほら。半年後に帰国するという館生は材質にまでこだわって吟味した商品と財布を手にレジに向かっていました。
午後一番に訪れたのは「山中うるし座」。ろくろ挽きをする職人さんをガラス越しに見学しながら、係員から山中漆器の説明を受けました。碗を持つ指が光に透けるほど、木を薄く削ることができる技術には一同感嘆の声。その反応が良かったせいか、係員はガラスケースの中に入っている高価な作品を特別に出し、実際に手に取ってみることもできました。そのような高い物にはもちろん手は出せませんでしたが、気軽にストラップに手を伸ばす女子学生の輪ができました。
「山中うるし座」にて山中漆器の説明 今回のツアーの締めは、県内有数の紅葉スポットで1300年の歴史のある名刹「那谷寺」。「石山の石より白し秋の風」と芭蕉が詠んだ時期より遅かったのですが、丁度紅葉が真っ盛り。ベストシーズンを選択した企画者は自画自賛できるはずだったのに、止まない雨音をBGMにぬかるみを避けながら境内へ足を運びました。那谷寺は縄文時代の神まつりの霊地で、岩山や洞窟がたくさんある自然信仰のお寺です。足元が良ければ洞窟がある岩山を回ることができるのですが、雨に濡れた急な階段は危険なので眺めるだけ。山水画のように美しいとうたわれる奇岩遊仙境を前に、修行僧のごとく雨水にうたれながらの見学になってしまいました。それでも、他の日本人観光客がさっさと退散する中、我がツアー客は傘を差しながらもレンズをあちこちに向け、笑顔でピースサイン。一人の脱落者もなく境内を回り、最後尾の学生とバスを目指し歩いていると、お土産物屋の前に中国人留学生の人だかり。覗いてみるとその中心には焼き栗の実演販売がありました。故郷を思い出す懐かしい食べ物を見つけた学生たちはこぞって購入し、帰りのバスの中で賞味していました。
「那谷寺」拝観 誰が雨男か雨女か。最初から最後まで傘を手放すことができない1日でしたが、運転手やバスガイドの配慮と的確な判断のおかげで、全行程をほぼ予定通り回り全員無事に帰館することができました。
「山中うるし座」にて残念ながら悪天候のため、外での集合写真は1枚も撮ることができませんでした(涙)4.総括
今回は今も脈々と息づく石川の伝統産業・文化を知ってもらうこと、ただ見学するだけではなくそれぞれの専門の方々から説明を受け知識を深めること、自ら体験することに重点を置き実施しました。そのため、旅行会社から関係部署に問い合わせてもらい、九谷焼の詳しいパンフレット(中国語版・英語版)も取り寄せてもらいました。
2大学(金沢大学・北陸大学)、6カ国(中国・台湾・インドネシア・ベトナム・タイ・日本人RA)の学生が参加しましたが、このツアーを通して地元の方とはもちろん、同じ会館に住む学生同士、大学や国境を越えた交流が見受けられました。比較的日本語のレベルが高い学生が多く(英語の説明が必要な学生には日本人RAが協力)、係員やバスガイドの説明も神妙に聞いており地元の伝統産業・文化に理解を深めた模様です。あいにく天候には恵まれませんでしたが、旅行会社を始め、見学先の方々の手厚いご協力をいただいて、充実した1日となりました。
新米作家の作品集